若林の家
2014年 東京都 木造 地上2階 敷地面積:106.58㎡ 建築面積:63.26㎡ 延床面積:105.81㎡
 
密集地に建つ3世代6人家族の住まい。
一般的に、家族の人数に応じて部屋数も増え、各部屋の広さも限られてきます。
特に密集地で斜線制限が厳しい場合は顕著です。
そこで、なにか特別な建築表現や構成を追い求めるのではなく、これまで大切にしてきた通りに、
設えや納まりと言った、生活の背景を丁寧に設計することを心がけました。
限られた規模の中に造作家具や木・漆喰などの質感のある仕上げを取り入れ、
また、広さは限られていても、緑を楽しめる工夫を随所に凝らしています。

若林の家
若林の家 外観

北の前面道路から見た外観。
1坪ほどの植栽スペースに植えた緑を見ながらアプローチします。

若林の家 アプローチ

家の顔として選んだのはアオダモ。足元にコクチナシ、ヒメリュウ、ユキヤナギ。

若林の家 アオダモ

アオダモを選んだのは、繊細な枝ぶりが充実している樹がこの場に相応しいと考えたから。特徴的な幹肌が、縁甲板打ち放しの壁とよく合っています。

若林の家 アプローチ

アオダモの横を通ってポーチへと至ります

若林の家 ポーチ

ポーチには玄関扉と同じピーラーでベンチを設えました。
買い物帰りに荷物を置くのに重宝し、縁側のようにも使えます。

若林の家 玄関

シンプルに整理した玄関。波ガラスの下は造作のポスト。

若林の家 玄関

玄関からポーチを見返す。アオダモが緩やかな目隠しになっている。

若林の家 玄関

玄関とポーチの天井が、欄間のガラスを通してつながっています。

若林の家 和室

玄関から和室越しに庭を見通す。廊下左手は個室。

若林の家 庭

庭を東から西に見通す。奥は浴室で、手前が和室の窓。

若林の家 庭

主木はモミジ。限られた広さの庭でも樹種を選べば緑を楽しめます。

若林の家 浴室

庭に面した浴室は、隣家の視線を遮りつつ緑を眺められます

若林の家 リビング

2階のリビング。バルコニーの一角に花壇を設け、高めのルーバー手摺りで囲みました。数年もすれば目の前に緑のスクリーンが生まれ、内と外の一体感が強まるでしょう。

若林の家 リビング

リビング

若林の家 花壇

ルーバー手摺と花壇

若林の家 ダイニング

ダイニング。製作した大きなテーブルは、食事以外にも家族が思い思いの時間を過ごすことができる場所になります。

若林の家 LDK

バルコニーを背に北(道路側)を見る。右奥はキッチン。正面には1階からの階段とロフトへ登るタラップ、和室が見えます。

若林の家 LDK

キッチンの扉の横には 枠と一体に食器棚を造りつけました。それぞれの扉にはすだれ状の薄いスクリーンを入れています。

若林の家 LDK

ロフトからリビングを見下ろす。コンパクトなリビングですが、天井が高く、外とつながっているので面積以上の広がりを感じられます。

若林の家 キッチン

キッチンは扉越しにバルコニーの雰囲気を感じられます

若林の家 ホール

階段をあがったホールには、本棚とベンチをつくりました。
ちょっとした気分転換にいいようです。

若林の家 ホール

ホールのベンチ

若林の家 ホール

ホールから和室方向を見る

若林の家 和室

和室には、障子に加え格子戸を設けました。窓を開けて寝る時は外側の障子を少し開け、内側の格子戸を閉めて使います。どちらの戸も壁の戸袋の中に収納することができます。

若林の家 和室

格子戸を閉めた様子

若林の家 和室

足元の浮いた収納はクローゼットで、右は押し入れです。揉み紙を貼った扉の手掛けはデザインして製作したものです。

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