鎌倉の家
2010年 神奈川県 木造 地上2階 敷地面積：99.01㎡ 建築面積：53.91㎡ 延床面積：104.51㎡
鎌倉特有の入り組んだ小道の一角に建つ住宅です。
1階を庭と連続した個室と水まわり、2階をほぼワンルームの家族が集まる明るいリビングとしています。
限られた規模の中に様々な要素を詰め込みつつ、緑を楽しむ暮らしを実現した住まいとなりました。
北側の前面道路から見ています。向かいの緑や鎌倉特有の小山の緑を楽しむために設けた窓と、薪ストーブの煙突が見えます。
アプローチ。玄関まで近いので、出来るだけ単調にならないようにしています。
アプローチまわりの緑。時計回りに、カツラ（２階から楽しめる）、ヒメシャラの足下に建て主が植えたホタルブクロ、玄関脇の石臼、ヤブランです。
玄関扉を開けると、寝室越しに主庭を見通せます。
主審室はデッキを介して主庭とつながっています。一段高いデッキは浴室の前で、その下を園芸道具の収納としています。
個室も同様に広いデッキで主庭とつながっています。ここはまだ小さい子供の遊び場で、ぽかぽかと陽があたる縁側のイメージです。将来は、間仕切りで２室に分けられます。
主庭に面した明るい浴室
２階のリビングは、「く」の字の平面なりに切妻屋根が連続した、明るいワンルーム。薪ストーブ後ろの大きな嵌め殺し窓から、向かいの緑を借景として取り込んでいます。
障子と扉を開け放した様子。建て込んだ一角では、採光に優れた２階リビングの手法は有効です。
天井の高さは約３．６メートル。キッチンカウンターのダイニング側には、収納と飾り棚を設けました。
ダイニングからリビングを見る。奥はスタディルーム。 木の壁の向こうは本棚で、ゆるやかな間仕切りとなっています。
障子を開け放した様子
テレビ台は造り付け。木のはしごをのぼれば明るいロフトです。
リビングから見下ろす。「く」の字型の平面が、ワンルームに変化を与えていることがよく分かります。
キッチンから見る。ここは家の内と外がよく見える場所で、食事の準備や片付けをしていても家族の様子が分かり、外の景色も楽しめます。
ロフトのはしごは、無垢の木に段板を組みこんだシンプルなデザインです。
来客用の手洗いスペースに信楽焼の洗面ボウルを設けましたが、建て主の工夫で時に緑を設えています。こういう心遣いは設計者としてもうれしいものです。