成田東のコートハウス
2009年 東京都 RC造 地上2階 敷地面積：189.23㎡ 建築面積：94.11㎡ 延床面積：133.31㎡
中庭と桜を含む庭、２つの重心をもつ庭のあるコートハウスです。
築50年ほどの家の建て替えで、少し風化した佇まいと和の趣をまとった庭がありました。
その中から、桜を選んで残しています。
また、年月を経て刻まれた「想い」を汲み取り、既存のものをあちこちにちりばめています。
南の前面道路から見る。２階は書斎に面した屋上庭園で、隣家（左）の八重桜を楽しめる開口から緑が街にこぼれるように計画しました。
屋上庭園にはワイヤーを張り、藤棚となるパーゴラを設けています。
玄関からは、イロハモミジを植えた小さな中庭が正面に見えます。
玄関を入ると中庭が見えます。主木はヤマボウシの株立ち。
階段板はナラ、手摺りはスチール、床はナイフで凹凸をつけたナラです。
ナラとスチール、コンクリート
廊下からダイニングを見る
リビングから中庭を見ています。天井高さにそろえたサッシは、風景を楽しむために大きなはめ殺しガラスを主体にしたシンプルな木製窓。
庭はヤマボウシのある中庭と、既存の桜がある庭がT字形につながり、完全に閉じていないので奥行きを感じます。中庭の向かい側は寝室。
左が既存の桜
リビングからダイニング、キッチンを見る。住まい手は家具好きで椅子もバリエーション豊か。ダイニングテーブルはオリジナルの製作で、家族それぞれに専用の引出を設けています。
ソファの背面は収納を兼ねたニッチで、間接照明がおだやかに照らします。
リビングから中庭、玄関ホールを見ています。これは冬の様子。クリスマスツリーを飾っている場所には、薪ストーブを設置できるようにしています。
リビングの大きなガラス窓には障子を入れられるようにしています。室内の熱の放出をやわらげる冬のしつらえです。
中庭。キリシマツツジ、ブルーベリー、ヤマボウシ。
バードバスは既存の石灯籠を再利用したもの。
庭と室内のあいだには木製デッキがまわり、内と外をひとつながりに感じさせます。
寝室から見る。砂利止めと踏み台の瓦は既存家屋で使っていたもの。
２階へ。階段を上がると正面にヤマボウシ、背後には既存の桜が見えます。
将来の個室スペース
水まわり。ハイサイドライトの光がガラス欄間を通して室内を照らします。
水まわり。ハイサイドライトの光がガラス欄間を通して室内を照らします。
屋上庭園。横長の窓は書斎。隣家の八重桜を楽しめるように壁の開口を設けています。
屋上庭園。水盤は井戸水を利用しています。
書斎から屋上庭園を見る。緑を眺めながらゆったりと過ごせる場所です。
藤棚は書斎から楽しめると同時に、道路からも見ることができます。「緑のおすそ分け」と言ったところでしょうか。
ヤマボウシは上向きに花をつけるので、2階からも楽しめます。
上から見下ろすと、街の緑と家の緑が連続してつながっている様子がよく分かります。