桜新町・緑庭の平屋
2007 東京都 RC造平屋 敷地面積:252.55u 建築面積:136.91u 延床面積:131.26u

落ち着いた住宅街に建つRC造、平屋建ての住まいで、屋根全面を植栽し緑豊かな屋上庭園としています。
設計は、思い出のある柿の木を残すところから始まりました。
柿の木がある東南を庭にし、その庭を建物がL型に囲みます。
庭は、園芸好きの建て主のために、自分で好きなように楽しめる余白を残しました。
残した柿は、今でもたくさんの実をつけています。
 
道路から見ると、屋上庭園の存在が垣間見えます。
大きく張り出した屋根の下は駐車スペースとなっており、玄関へのアプローチも兼ねています。
屋根の向こうに梢が見えるのが柿の木。
屋上庭園には木製のベンチとパーゴラを設け、庭でくつろげる場所になっています。
 
駐車場の壁には、植木屋さんの出入りのために扉をつけています。
緑の様子を通りからもうかがうことができるように、格子戸にしています。
 
玄関からリビングの方を見ています。左は庭で、階段を登ると屋上庭園です。
ここは大谷石を敷き詰めた広い土間になっていて、上下の庭に行く動線の起点となっています。
庭への扉を大きく開放することで、内外の土間を一体的に使うことができます。
 
玄関から庭に出たところです。
地上の庭は、柿のほかにも紅梅などの既存樹木を残し落ち着いた雰囲気としました。
庭を囲むようにL型に居住空間がひろがっています
 
桜新町リビング
 
 
リビングから庭を見る。
しつらえの楽しみとして、ヒートブリッジに注意しながら一部の壁をコンクリート打ち放しとしています。
また、庭の風景をきれいに楽しめるように、窓のまわりは壁をつくらずに細いスチールの柱を構造としています。
柱の向こうに見えるのが柿の木。
 
 
同じく風景を楽しむために、通風を得るための窓を工夫しました。
窓の持つ機能を分けて考え、隣の大きなはめ殺し窓で風景を楽しみ、こちらで通風を得ます。
外は外壁と同材の板戸、内は網戸を兼ねた簾戸という組み合わせで、インテリアとしても楽しめます。
 
 
 
桜新町中庭を見上げる
平屋である事の利点は日常の移動が容易なことですが、その反面、平面的に大きくなり暗い部屋が出来がちです。
そこで、北側に小さいながらも中庭を設けました。
そこはまるで光の井戸。屋上庭園の緑も見えます。
 
中庭前の廊下からリビングを見返しています。奥は玄関。
 
公園のように見えるかもしれませんが、ここは2階の屋上庭園です。
春には爽やかな新緑が木漏れ日を落とし、色とりどりの花が咲き乱れます。
鳥が集い蝶が舞うさまはまるで楽園のよう。
屋上緑化には、緑を楽しみ豊かな環境を形成することに加え、建物への熱負荷を軽減するエコロジーの側面もあります。
 
屋上庭園の楽しみは、眺めるだけではありません。
自分で種や苗から育てたり、日常の手入れや果実の収穫をすることも大きな喜びになります。
そのような園芸作業のために、土間や水場を設けています。
 
桜新町屋上の花達
 
桜新町屋上の花達
 
桜新町屋上の花達
竣工当初は大きな植木だけを植栽し、自分の好みで植えられる余白を残しました。
数年でその余白は緑で満たされ、今では丹念に手入れされたバラが咲き誇る庭になりました。
 
屋上から見下ろすと、庭を囲むL型の構成がよく分かります。
縦長のガラス窓で構成した階段室はまるで街のささやかな行灯のようで、帰宅時に家族を暖かく迎えます。